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Inuit Film Festival 2009.10.16

 いつの間にやら先々週の話になってしまったけれど、Nuit Blanche(白夜)というアートイベントの一環で行われたInuit Film Festival(フレーム内なのでリンク貼れず。上記イベントページ内に詳細あり)に行ってきた。ここのところネット環境が悪いせいで筆(?)が重く、忘れないうちに書かねばと思いつつ2週間…

 Habourfront Centreというおみやげもの関係の店の多いモールの中にあるMIA: Museum of Inuit Artで開かれた上映会。このMIA、場所が場所なのでみやげもの屋的たたずまいかと思って行ったこともなかったのだけれど、れっきとしたMuseumだった(上映会時に常設展を見ることはできなかったので、改めて行くつもり)。


 さて、件の映画祭、上映されるのは、“イヌイットの映画”といってもドキュメンタリでもなければ映像人類学の作品でもない。イヌイットの、イヌイットによる、イヌイットのための映画作品である。そしてなんと上映はオールナイト(Nuit Blanche自体が夜を徹したイベントということもあるのだろうけど)。切っても切ってもイヌイット、どこをとってもイヌイットである。

 行ったら既に始まっていたのが『Why Must We Die?』。通してみることができたのが『Atanarjuat: The Fast Runner』。これから観る可能性のある方のためにあらすじは書かないけれど、後者、ひとことで言えば「昼ドラ」なドロドロ人間ドラマ。純愛あり嫉妬あり不倫あり殺人あり策謀あり復讐あり感動の再会あり(←なんだかんだで結構あらすじをばらしている)。それらが全部イヌイットの暮らしの中で繰り広げられる。

 何がおもしろかったかというと、たとえば探検映画や記録映画やらドキュメンタリーやらならおそらく大々的に映し出されるであろう「極北の大地」とか「白い地平線」とか「極限の自然」とかそういったものが、あくまで前提的、背景的に登場することだ。考えてみれば至極あたりまえのことなのだけれど。

 それから、イヌイットの世界観・精神世界のキーである生まれ変わり(Reincarnation)がところどころ、これまた至極あたりまえに登場する。同じ“魂”(この用語であってるのかは自信なし)をもつ人物は同じ名前をもつため、おばあちゃんが孫娘に“my younger mother(英訳字幕)”息子に“my younger husband(同)”などと呼びかけたりする。わたしは多少なりとも予備知識があったため「へぇえー先生の話のとおり」くらいに納得できたのだけれど、ジンルイガクもイヌイットも関係のない観客は混乱したりしないだろうかといらぬ心配をしてしまった。。生粋のカナディアンは先住民政策の一環として啓蒙教育を受けていて、その程度のことは常識的に知っているのだろうか?

 職業柄というか悲しい性というか、やたらに斜に構えてみてしまった感は否めないものの、とても楽しいイベントだった。みんぱくでそのまま同じプログラムやったりしないだろうか。願わくは研究者の解説付きで。




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(2005/11)
岸上 伸啓

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