わかりやすく話す/書く 2009.06.26
残念ながら直接お会いしたことはないけれど、著書を拝読してその姿勢をとても尊敬している人類学者・亀井伸孝先生が日記にずばりのことを書かれていて(こちら。ぜひ読んでみてください)、そうなんですよそうですよね!という感じで何度も読んでいる。この文章自体も、あっさりしているのにとても的確な表現。うまい…
そうして書かれた本がこちら。
手話の世界を訪ねよう (岩波ジュニア新書 630) (2009/06) 亀井 伸孝 商品詳細を見る |
やさしくわかりやすく書かれてそれでいておもしろい本として思い出すのは、この間akipponさんも書かれていたこちら。
イスラーム文化-その根柢にあるもの (岩波文庫) (1991/06) 井筒 俊彦 商品詳細を見る |
口頭講演の書き起こしという性質上ですます調でやさしい言葉の本ながら、専門家ならではの内容がぎゅぎゅっと詰め込まれていて、実に読みがいのある本。
英語で話したり書いたりしていて、言いたいことがあるのにそのものずばりな言葉がなかなか出てこず、あーなんだっけあれこう言いたいのに、ともがいているうちに自分でもよくわからなくなってくることがある。そういうときは、その言葉を逃したためにわからなくなったというよりは、あやふやな思いつきを固めたつもりになるためにひとつの言葉に頼ってしまっているだけで、実ははなからよくわかっていない、ということがある(もちろん単純に語彙が足りないこともよくあるのだけれど…)。
本当にちゃんとその言葉の指示内容が消化できていたならば、必ずそれを説明するために噛み砕いた別の言葉が出てくるはずなのだ。そして、その噛み砕いた言葉のほうが、相手にとってもよりわかりやすいという場合が多い。言うまでもなく相手によるのだけれど。
学会のレセプションで専門用語をひらひら操ってみせて、えらいセンセイに「きみ、よく勉強してるねぇ」と言われるよりは、近所の食堂(きゃ●ばんとか風●館とかま●にとか…)で、バイト先のコンビニ常連の新聞配達のおっちゃんに「お前おもしれーこと考えてんなぁ」と言われたい。そのために必要な認識を必死に身につけ中。
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